市民活動応援賞

令和3年度 受賞団体訪問記

SC.FILED

今年度、仙台みどりと風の会の市民活動応援賞を差し上げる第一号は、SC.FILEDさん。2017年から、主に未就学児とママ、パパのイベント「親子フェス」を開催してきました。身近につながる人がおらず、悩みを抱え込んでしまっている子育て中のママ、そしてパパを応援し、親子ともに笑顔が輝く毎日を送って欲しいと願って、企画を重ねてきました。

お伺いした12月11日(土)は、河原町商店街さんと協働で取り組んだ河原町クリスマスマーケット、サンタ商店街のウォークラリーの日。河原町商店街のあちこちで、サンタの帽子や服に身を包んだ親子連れがワークショップに取り組んだり、クリスマス雑貨の品定めをしたり。今回の街歩きを通して、地域のお店が一層身近なものになることを期待しているそうです。

師走にもかかわらず、好天に恵まれ、にこにこ親子でいっぱいの河原町でした。

八幡町商店街ファンコミュニティ

八幡町商店街は、大崎八幡宮の門前町として歴史ある商店街ですが、数年前、役員の大幅な世代交代を迎えました。そして新体制のもと、スタートしたのが、八幡町商店街ファンコミュニティ。八幡町商店街が大好き、八幡町商店街に元気でいてほしいと願う人たちの集まりです。

役員の皆さんが、ワイワイガヤガヤ。地域、特に子どもたちとお店をつなぐものは何だろうと考えた時に、行き当たったのがSDGs。すでに、子どもたちは、学校でSDGsについて、楽しく学んでいます。それならば、地域のお店の人たちにも自分たちの商売のどこが地球の未来を支えることにつながっているのか、しっかり考えて、発信してもらおうということで、環境問題に詳しいNPOの協力を得て、勉強会も進められました。

そうした活動の集大成の一つが、昨年10月に行われた「はちまんSDGsハロウィン2021」。近隣の三つの小学校の子どもたちが、商店街のお店を回って、SDGsの取組みを聞き、結果を記したチラシを提出すると、お菓子がもらえます。コロナ下の中、地域での久しぶりのイベントに、親子ともども大変な盛り上がりを見せ、配るお菓子が足りなくなるほどだったとか。 仕掛け人の方々は、この成功に手ごたえを感じながら、地域と子どもたち、それを見守る大人たちをつなぐ次なる一手に頭をひねっています。

西公園を遊ぼうプロジェクト

広瀬川に面する西公園は、明治8年に開園した、仙台で一番古い公園です。長い間お花見の名所として親しまれてきましたが、市民図書館の移転や地下鉄東西線の整備に伴う公園再編などで、近年は訪れる人がやや減る傾向にありました。そうした現状を残念に思い、せっかくの公園をもっと市民に親しまれるものにしたいと立ち上がったのが、西公園を遊ぼうプロジェクトさんです。

雑草取りや樹木の剪定などの地道な活動に加え、夕日を見る会などのイベントも企画。併せて、春先の色彩に乏しい公園にぱっと明るい色どりをそえ、人々に来てもらおうと、歩話人(ほわっと)ロードの整備に着手。小道の両側に1000株の水仙の球根を植え、春のにぎわいを創出しました。

昨年はコロナ禍で出来ませんでしたが、水仙を眺めながらのお茶会もしたいと企画を温めています。

さらに、昨年の十月には、同じく春先に一番に黄色い花の咲くロウバイを植樹。桜の名所が、ロウバイの名所ともなるよう、こちらも丹精を続けています。 マンションで暮らす人も増えた100万都市仙台。市民共通の庭として、西公園がもっともっと多くの人に愛され、憩いの場となるよう、これからも活動を続けるという皆さんです。

子どもの問題を考える会仙台

子どもの問題を考える会仙台さんが発足するきっかけは、1999年に子どもの育ちをテーマとして活動していた団体の全国大会が仙台で開催されたことだったそうです。その時に大会に集った方々を中心に勉強を続け、2005年に正式に会としてスタートしました。

当時会に参加された方々も、今に続く、お子さんの非行の問題、不登校、引きこもり、いじめ等々で悩んでおり、また、そのことがきかっけとなり、家族の間がぎくしゃくしたり、周囲の目が気になったりしたと言います。

会では、東京から講師の方に来てもらって、親自身が自分を見つめるためのカウンセリングや自律訓練法などに取り組み、また、会員相互のグループディスカッションにも力を入れてきました。

お子さんが、中学生の時から、会の活動に参加し、今も関わっている会員のお一人は、自分自身の悩みは卒業したけれども、現在、先が見えずに悩んでいる親ごさん、子どもたちのために、少しでも寄り添って、お手伝いが出来ればという気持ちで、活動を継続していると言います。 技術が日進月歩で進む世の中になっても、子どもたちが抱える問題は、ITで解決できるわけではありません。子育ての悩みを親が一人で抱え込むことなく、多くの人の支援の輪の中で、親自身も人としての視野の広がりが育まれるような仙台でありたいものです。

都市デザインワークス

都市デザインワークスさんは、今年、設立から20周年の節目の年を迎えます。そもそもは、東北大学で都市デザインを講じていた大村虔一先生が中心となって、講座OBの方々と共に立ち上げたのが始まりでした。

広瀬川の大橋を中心とした流域の緑や景観、歴史的資源、ミュージアム等の施設を活用し、自然と文化の魅力に富んだシンボル地区に育て上げて行こうという「仙台セントラルパーク構想」をはじめ、この間、多くの市民提案型まちづくりの実践を重ねてきました。

そうしたさまざまな活動の中でも、強く記憶に残るものの一つは、東日本大震災の復興の際の「南蒲生復興まちづくり」であったと言います。壊滅的な被害を受けた南蒲生では、移転を決断する人も多い中、時間をかけ、ていねいな話し合いを続ける中で、行政から与えられる復興から、自分たちでつくる身の丈にあった、コミュニティを生かす復興へと、住民の方々の気持ちがまとまっていったのが、大きな収穫であったと振返ります。

街をよりよいものにするのはそこに暮らす人たちの街への思い、ささやかでも自分たちの力を出そうという熱意、そしてそのプロジェクトに集う人同士の交流の楽しさではないかと考えるメンバーのみなさん。このコロナ禍の中でも、定禅寺通りの賑わい創出の社会実験等を実践してきました。

20年を一つの節目に、これまでの実践で蓄えた知恵とネットワークを武器に、新たな一歩を力強く踏み出して行くことを期待しています。

駆け込み寺

駆け込み寺さんと仙台のご縁は、東京の歌舞伎町で活動を続けていたみなさんが、東日本大震災のあと、被災地でも女性の相談に対応していく必要があるだろうとの思いから、相談の窓口を開設したのが始まりだそうです。

当初の助成金が5年で終了した後、仙台で活動していたボランティアのメンバー等を中心に、この地での活動の継続を模索し、2018年から、再スタートしました。誰でもわかりやすく、気軽に入りやすい路面の物件を探した結果、現在のいろは横町の事務所に落ち着いたといいます。

相談の敷居を低くしたいと考え、特に予約を必要としたり、連絡先を求めたりすることはなく、気軽に来て、友だちと話すようなつもりで心に抱えていることを吐き出し、少しでも気持ちを癒すお役に立てればと願って続けてきたそうです。お出でになる方は、エル・ソーラ仙台等の公共施設におかれたチラシを見て来る方も多いとのこと。

最近は、引きこもりなどの周囲とのコミュニケーションに課題を抱えている人が増えているのではないかとの印象があると話して下さいました。来訪者のお話から、「駆け込み寺」という名称も、やや近づきにくいのではないかと考え、昨年の10月からは、第二・第四水曜日の午後に、「おしゃべり原っぱ」というカフェスタイルでのおしゃべり会を試みています。好きなドリンクを飲みながら、ハンドマッサージを受けたり、おしゃべりに興じたり。継続は力をモットーに、ささやかでも充実した癒しの時間となるよう努めるみなさんです。

あれからスペシャル実行委員会

あれからスペシャル実行委員会さんは、仙台市職員の自主研修組織であるチーム仙台の面々と市民有志の方々が一緒になって、東日本大震災の経験を語り継ごうと2016年から継続的に「あれから〇年スペシャル」を開催している団体です。

震災直後からしばらくは、チーム仙台のメンバーもそれぞれの持ち場での復旧・復興業務に追われ、震災経験を伝え、広げることにまで思いが至らなかったそうですが、復旧・復興が進む中で、逆に、当時の貴重な経験が共有されずに、片隅に置かれたままになっている現実に気づき、被災地の自治体職員として、まずは自分たちの体験や教訓をしっかり記録し、後世につたえていかなくてはならないと決意したといいます。

そして、保健師、下水道職員、避難所運営担当、仮設住宅担当等さまざまな部局の職員の体験をビデオに収録し、文字化も行ってきました。「あれから〇年スペシャル」では、こうしてまとめた記録を朗読したり、映像を紹介するなどして、神戸や熊本をはじめ、全国からの参加者とともに、防災・減災に向けての情報の交換や教訓の共有に努めてきました。

コロナの感染拡大により、それまでのように、直接語り合うことは難しくなっていますが、さまざまな試行錯誤を経て、2022年3月には、あれから11年スペシャルをオンラインで開催の予定です。地震被害に加えて、台風、集中豪雨、パンデミックと多様な災害が私たちを襲う中、これまでの知見やネットワークの力を未来につなげたいと意気込む皆さんです。

宮城アフリカ協会

宮城アフリカ協会さんが、活動をスタートしたのは、21世紀に入ってすぐ、2002年のこと。東北大学を中心に、徐々にアフリカ諸国からの留学生も増えてはいたものの、まだまだ地域の人たちに、アフリカの国々は馴染みが薄いこと、また、留学生の中でも、日本の生活習慣等にとまどう場面も多かったことなどから、相互の情報交換、親睦の輪を広げることをねらいに始めたそうです。

会員は、東北大への留学生が多いものの、宮城大、山形大、秋田大などに通う方々も含め70名弱のメンバーで構成されています。

コロナの前には、仙台市国際センターの企画等と連携して、アフリカ文化セミナーを開催し、講演会、料理教室、ダンス公演等を行ってきました。

お伺いした3月26日(土)は、第三回アフリカオンラインクッキングイベントを開催。この日のメニューは、ガーナ料理のファンテファンテ。トマト、玉ねぎ、にんにく、しょうがをブレンダーでまぜ、パーム油で煮詰めて、ソースを作ります。そこにタラやイカなど魚介類を入れて煮込み、仕上げのいろどりには、赤や黄のパプリカ、ピーマンなど。付け合わせのヤムイモは、東京から取り寄せたとのこと。手際のよい作業と説明に、あっという間に、美味しい料理が完成。オンラインのため、あたりに漂ったスパイシーな香りをお届けできないのが残念でした。

このコロナ禍で、会員の方々の中には、アルバイトの機会が減り、追い詰められている留学生もいるとのことで、一日も早くコロナが終息し、海外との行き来もスムーズになることを願う次第です。