市民活動応援賞

令和元年度 受賞団体訪問記

2019年12月7日 野尻いぐする会

秋保の最西部の野尻地区は、古くは仙台藩の藩境を警備する関所がおかれ、警護をつかさどる足軽衆の歴史ある集落でした。現在は、住民の数は35世帯、約75名ほど。高齢化率も約6割と次世代の担い手不足が深刻です。

このことに危機感をもった人たちが、「地域でとれるそばを味わってもらったり、野尻の豊かな自然や山里の暮らしを体験してもらって、地域外の人たちとの交流を増やし、地域を元気にしよう」と平成28年10月に立ち上げたのが、「野尻いぐする会」です。平成29年10月からは、地元の集会所を改修して、野尻交流カフェ「ばんどころ」をオープン。土・日の営業ですが、私がお伺いした日も、師走の慌ただしい季節にもかかわらず、名物の天ぷらそばを目当てに家族連れが次々に訪れていました。

夏には、近くの天神淵で、子どもたち向けの川遊び体験を開催したり、冬には雪遊び体験を実施するなど、幅広い活動にチャレンジしています。

秋保を拠点に活動する他の団体とも連携して、さらなるにぎわい創出を目指すという佐藤会長さん以下みなさんのご活躍に期待しています。

2020年1月10日 みやぎ発達障害サポートネット

地下鉄南北線旭が丘駅からほど近い住宅地の中にある、ふつうの民家と見間違う落ち着いたたたずまいの一軒家が、みやぎ発達障害サポートネットさんの活動スペースです。

発達障害とは、生まれつきの脳の特性で、ある特定のことには非常に優れた力を発揮する一方、他の分野は大変苦手といったことが起こる障害です。主なものとしては、自閉症スペクトラム障害、注意欠如・多動性障害、学習障害などがあげられます。

通常の子育てでは上手く行かないことも多いので、サポートネットでは、家族からの相談を受けたり、また一人ひとりの子どもにあった教材や接し方の工夫等により、より本人や家族の日常生活がスムーズなものとなるよう支援プログラムを実施しています。

この日、お話を聞かせてくださったスタッフのみなさんは、言葉で言っても理解が難しい子どもには、絵や図で示すなど、一人ひとりの特性への配慮が欠かせないと力説されました。たくさんの手づくりの教材が、みなさんの努力を物語っていました。

大人となって、社会に出た場合にも、周囲の理解があれば、多少のコミュニケーションのずれがあっても、仕事を続けていける場合が多いとか。発達障害を持つ子どもたちに社会への適応を求めるだけでなく、私たちの側も障害をもつ人たちへの接し方を学んでいきたいと思ったのでした。

2020年1月16日 触察絵本グループわか草

触察絵本グループわか草さんが活動を始めたのは、1979年(昭和54年)10月のこと。すでに40年の長きにわたり、活動を継続していらっしゃいます。当時、点訳の勉強をしていた代表の菅原はつ子さんが、目が不自由な子たちでも楽しめる絵本が乏しいことに驚いたのが、活動のきっかけとか。

水は冷たい感じを、動物の毛皮にはぬくもりを、りんごやバナナにあう素材はなに?など、作品つくりはいつまでたっても試行錯誤の連続だとおっしゃる会員のみなさん。月2回の活動日には、手も口も動かして、お互いの工夫を出し合いながら、作品と向き合います。

一番のうれしさは、出来上がった絵本を聞いて、手で触って喜ぶ子どもたちの笑顔をみること。すべての子どもたちが、小さい頃の楽しい記憶として、絵本の思い出を持つことができるように、さらに創立50周年をめざして、活動が続くことを願っています。

2020年1月18日 「四ツ谷の水を街並みに!」市民の会

みなさんは、藩政時代、仙台の城下町に網の目のように張り巡らされていた四ツ谷用水をご存知でしょうか?

2015年に放映されたNHK「ぶらタモリ」で取り上げられ、一躍知名度があがりましたが、そもそもは広瀬川の河岸段丘に位置し、直接川から取水することが難しい城下をうるおす水源として、はるか上流の郷六地区で取水され、本支流あわせて40㎞に及ぶ用水路です。

戦前は、まだ一部、生活用水として使われたりもしていましたが、戦後は上下水道の普及とともに、今では、大部分が暗渠となっています。

その近代土木遺産としての四ツ谷用水の意義を知り、杜の都と比肩する水の都としての仙台をもう一度取り戻そうと活動を続けているのが、「四ツ谷の水を街並みに!」市民の会のみなさんです。本支流の要所要所に案内・解説板を設置したり、散策マップをつくったり、現地でのガイドツアーを行ったりしています。

この日は、会の副会長村上英寛さんに日頃の活動や今後の展望についてお話を伺いました。先人の知恵と工夫、努力を実際に街を歩きながら知ることができる四ツ谷用水は、仙台の貴重な歴史的な遺産です。みなさんも、ぜひ、地図を片手に四ツ谷用水めぐりを楽しんでください。

八幡町春日神社付近の洗い場跡と説明板

2020年1月21日 ほっぷすてっぷ

児童養護施設で育ったり、また家庭にいても親からの支援を受けにくい子どもたちが大人になる過程を支援しようというのが、NPO法人ほっぷステップさんです。そうした子どもたちはいわゆる世間の常識といったものに触れる機会が乏しいままに大きくなっているため、金銭の管理が苦手だったり、職場でのコミュニケーションにとまどったり、保証人がいなくて部屋を借りられなかったりといった困難に遭遇するケースがしばしばみられます。

法人の代表、森田みささんはそうした子どもたち、特に若い女性たちを見かけるつけ、もっと彼女たちの切実なニーズによりそった支援が必要ではないかと考え、ほっぷすてっぷを立ち上げたと話します。

平成29年夏からは、女性のためのシェアハウスを開設。自分で働いたお金で、自分で暮らしていけるようになるよう暮らす力がつくことを応援しています。

利用者のみなさんは、精神的にも金銭的にも厳しい生活を送っているため、シェアハウスの運営はやり繰りが大変とのこと。今回の市民活動助成金が少しでもその手助けになればと願ったことでした。

2020年1月29日 幸南復興太鼓

夜の静けさの中に、市民センターの一角で勇壮な太鼓の音が響きます。幸南復興太鼓の皆さんの練習が始まりました。幸町地区を中心としたみなさんの和太鼓の会がスタートしたのは、平成25年。海外でも活躍を続けていたプロの太鼓奏者のみなさんが、東日本大震災のあとで、子どもたちを元気にしたいと地元仙台に拠点を移し、和太鼓グループAtoa.を結成。幸南復興太鼓のみなさんは、縁あって、その指導を受けることになったのがきっかけでした。メンバーは、小学校3・4年生を中心に大人たちが周囲を支えます。

週一回練習を重ねた成果を地元町内会や近隣の夏祭り、また福祉施設への慰問などで披露しています。震災から歳月がたち、震災を直接は知らない子どもたちも増えてきましたが、復興という言葉に込めた思いを受け継いでいってほしいと思います。がんばれ!幸南復興太鼓!